ロシアンカーフの煙草入れ?

 昔の凝った煙草入れコレクションの中で目に付いた一品。黒桟革(黒桟留革)や金唐革や羅紗の煙草入れが掲載されている中でこれはもしかして?と思ってピックアップ。ホーウィン社のハッチグレインと似ています。

蒲団革の煙草入れ
男も女も装身具 江戸から明治の技とデザイン 21ページ

”このたばこ入れは、袋部分の縦横比が極端になされた、やや変形のものである。革は「蒲団革」と呼ばれる非常に柔らかい革で、座布団などにも用いられた素材である。 (岩崎)” 183ページ

 蒲団革とか謎の革が出てきました。他に面白い点としては非常に柔らかい革と記載されているところです。非常に柔らかいと表現するくらいですから他の革に比べて優れた鞣しが施された革なのでしょう。

 昔の煙草入れを探っていけば何だか面白い革に出会えそうな気がします。ロシアから革を輸入していた記録とか誰か調べてくれないものでしょうか。

製図の話

日本の紳士服業界においてこのお二人の名前は外せないでしょう。

磯島定二:紳士服裁断の基本
磯島定二: 紳士服裁断の基本

磯島定二先生と貝塚正高先生。このお二人が現代の製図基礎となる部分を担ったと言っていいと思います。先生方の著書は技術の基礎的な事が書いてあり今でも通用します。

共に胸寸式(ロングメジャー)を元にした製図ですが、貝島先生は短寸式にも触れています。短寸式が良いか胸寸式が良いかについては色々意見が分かれる所ではありますが、私感では併用しているテーラーが多いと思います。胸寸式と言っても一部の線を胸寸から割り出すだけで、全てを胸寸から割り出すわけではありません。肩は当然肩幅寸法を参考にしますし、背幅や胸幅の短寸を採って製図に反映させたりもします。

時代も進み個性が強く反映された製図も見かけますが、元を辿って行けばどこかでこのお二人の名前が出てくると思います。このお二人より以前となると佃鶴三郎先生辺りになるのではないかな…

ちなみに私は肩先からバストラインを設定するという製図方法で珍しい部類に入ると思っていますが同じ製図方法の方はいるのでしょうか?

直裁ち

講習会後の雑談で話題になったこのテーマ。何故直裁ちという手法に至ったか?

この問に対して話し合って出てきたのは“紙は伸縮するから”という答え。

おそらく昔の紙の品質事情を考えると数字やメモ以外信用ならなかったのでしょう。伸び縮みが激しく型紙としての役割を果たせなかったのだと思います。今の紙はよっぽど大丈夫ですが。

ちょっとして小ネタには使える話かも。

講習会

洋服組合講習会
スラックスの仮縫い

8月9日に静岡で開催された講習会に参加してきました。

途中コートだった内容にスラックスも追加して、私がモデル役になり型紙を起こしてもらいました。県外からの参加が私の他にもいたので皆様がサービスして下さったのだと思います。ありがとうございます。寸法は下の数値。

  • 総丈150
  • 着丈75
  • 上胴90
  • 腰囲77
  • 尻廻97
  • 肩幅46
  • 胸幅35
  • 袖丈62
  • 股上25
  • 股下76

スラックスのデザインは細めの1タック。数値に出ていないポイントで腰骨が横に出ていて平尻という点があります。ウエストとヒップの差寸が大きいのに平尻というのは珍しいのではないでしょうか?同業の方は寸法だけ見たら出尻と判断してしまうと思います。

今回の講習会で盛り上がった箇所として後ろ身頃の裁断と内股の縫い目がありました。特に尻ぐりと内股の辺りについては意見が分かれる箇所であり、どう処理すべきかという話になります。前と後ろの内股は同寸にすべきか差を付けるべきかという部分についてはその後のクセ取り方法もアプローチが違ってきます。

人生は一生勉強なり。