何でそんなに高いの?

Scabal EXCEPTIONAL
特別な生地のネームタグ

質問:繊維が細くなると良いのはわかる。けれども何でそんなに高くなるの?

答え:生産量が極端に落ちるから。細い繊維を生産するには羊を小型化させる必要があり、そうした羊は貧弱で飼育にも手間がかかってしまうため。エスコリアル種が良い例で、一頭あたりの刈り取り量は現代の羊に比べて半分以下しかとれないため価格が高めになる。

備考:現代のメリノ羊で5~7kg程度の生産量なのに対して、原種であるスペイン・メリノで2~2.5kg程度。その中でもスーパー・エクストラ・ファインの品質になると0.7~1.2kgと高品質の羊毛を生産しようとすると少なくなる。こんな生産量で毛の部位まで指定したら雀の涙程度しかとれない。

謹賀新年

I Have a Dream !!

私には夢がある!です。

 昨年は同業との出会いが多く勉強になる1年でした。特に大阪で行われた勉強会には刺激があり、関西方面は活気があると感じました。東京方面は交流が無いためどういう状況かわかりませんが、関西は東海地区に比べ衣服に対する文化が根強い気がします。

 そんな熱気に当てられて、不遜にも紳士服に関わる本を出してみたいと思ってしまったのです。業界の高齢化を含め、積み重ねたノウハウが砂のように散っている今だからこそ情報をまとめた一冊があれば助かると思うのです。馬鹿な事を考えていると思う人もいるでしょうが、この時代にシューティングゲームの新作を出した強者もいますし、コラボでオリジナルの靴を出す人もいます。きっとやってやれない事はないと思ってます。 それに目標が無いよりはあったほうがやる気も出てきます。

…とはいえ現実的な所から行くと薄い本からスタートでしょうか?

今年もこんな調子ですが宜しくお願いします。

大塚 健司

目測と数字

ジャケットの型紙
胸がない。

 ウエスト寸法は70台で誰が見ても痩型の体型。ただしバストとウエストの差寸が少なく、数字だけ追って製図すると肥満体な型紙になってしまいます。

 個人的な決着点としてはこの人には普通体の型紙でキッチリ合わせてあげたい。実際腹が出ているわけでは無く、『胸が無い』という方が認識としては正しいと思うので、肥満体のような補正はしたくないわけです。

 そこに加えて差寸の少ないこの体型をキッチリ絞れて見えるようにしたいわけです。いやはや文章を書いていて無茶なことを言っているなと思います。

それでは皆様良いお年を。

B寸

 先日に続いて製図の話に。今回はもうちょっと踏み込んだ内容に。

‖ 基度になるB寸

 昔の製図の参考書を見るとだいたいB寸というのを基度にして製図が引かれています。このB寸というのはバスト寸法を半分にした数字の事で、例えばバストが96ならその半分の48がB寸になるという具合です。

胸寸式の割出し方
参考:胸寸法の考え方

 そのB寸の”1/3+ゆとり量”で胸の基準線、背の基準線を割り出したりして製図を完成させていくわけです。ジャケットは前、脇、後の3パーツで構成されているから1/3という数字になるわけです。計った胸の寸法を半分にして、それを1/3にわけてゆとりを入れるだけの単純な仕組みだったりします。これがパンツやベストの類だと前と後の2パーツになりますから1/2H(ヒップ寸)や1/2B+ゆとり量で基準線を引くわけです。

‖よりキッチリした配分

 人体を上から見たら、胸と背と脇が同じ割合なのはおかしいと疑問が出てくる方もいると思います。

人台
上から撮影した人台

 人台を上から撮影した画像を見るとよくわかります。人体は1/3できれいに割れるほど丸い体ではなく、どちらかというと長方形に近い形をしています。そこで今度はB寸法を1/8に分けた製図の出番です。前と後は3/8B、脇には2/8Bを割り当てます。 3/8B + 2/8B + 3/8B = B寸という具合です。そしてそれにユトリを入れて製図を完成させます。

 先日大阪の講習に行った際、より細かく分けた○/10Bという数字を使った製図もあると聞きました。驚きです。なんだか関西方面のが細かい感じで製図が行われているようで面白いです。機会があったらB寸からの割出について全国を調べてみたい。

探してみると基本根本的な所を説明してる書物が無かったり。

ロシアンカーフの煙草入れ?

 昔の凝った煙草入れコレクションの中で目に付いた一品。黒桟革(黒桟留革)や金唐革や羅紗の煙草入れが掲載されている中でこれはもしかして?と思ってピックアップ。ホーウィン社のハッチグレインと似ています。

蒲団革の煙草入れ
男も女も装身具 江戸から明治の技とデザイン 21ページ

”このたばこ入れは、袋部分の縦横比が極端になされた、やや変形のものである。革は「蒲団革」と呼ばれる非常に柔らかい革で、座布団などにも用いられた素材である。 (岩崎)” 183ページ

 蒲団革とか謎の革が出てきました。他に面白い点としては非常に柔らかい革と記載されているところです。非常に柔らかいと表現するくらいですから他の革に比べて優れた鞣しが施された革なのでしょう。

 昔の煙草入れを探っていけば何だか面白い革に出会えそうな気がします。ロシアから革を輸入していた記録とか誰か調べてくれないものでしょうか。