シャツ職人のお薦めする生地

 先日オーダーで夏のシャツを一着仕立てました。夏というと最近は麻が多いですが、長年誂えている方だと『アルモの綿ボイル』でしょうか。撚りが強くかけてあり、皺になりにくいのとすぐ乾くという特徴があります。『ボイル生地ならやっぱりアルモが一番ですよ。』とシャツのマルヤスさんがお薦めしてくれたのでこれに決めました。アルモのボイルは初体験の素材です。

 アルモはスイスにあるファブリックメーカーで、高品質な綿製品を生産しております。スイスは他にもフィスバスペリーといったファブリックメーカーがあり、昔から繊維産業が盛んな地域です。地図で周辺地域を見るとイタリア北部からスイスには湖が多く、テキスタイルの生産に向いているのがよくわかります。

❏:1日着用してみて

 ベタつかなくてとても快適。ただし透けるため、気になる方は肌着でちょっと工夫する必要があります。今回はモヘアのスーツにボイルのシャツを合わせました。この組み合わせはとても良いチョイスだったと自分でも思っています。湿気でベタベタ纏わり付くような不快感が無く、モヘアに綿ボイルは日本の梅雨に対して最も適した素材チョイスの組み合わせに感じます。

❏:盛夏に向けて

 モヘアのスーツに綿ボイルのシャツ、首元はニットタイで合わせればいかにも盛夏物の雰囲気が出て良いのではないかと思っています。個人的に御幸毛織のシャリックに合わせたいですが、こちらもやはり透けるというのが気になる人には難しい生地です。スーツもシャツも透けるってのはちょっとやりすぎかなと思ってしまいますが、実際この組み合わせで着たら透ける事に目を瞑って快適性を選ぶはずでしょう。夏物が透けるっていう課題、これは昔から言われていますがこの先も続く課題なんでしょうか?

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